HOME » RtoS研究会案内 » RtoS研究会から今回の震災廃棄物対策への提言

RtoS研究会案内

RtoS研究会から今回の震災廃棄物対策への提言

今回の震災に関しまして被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。
RtoS研究会の事務局である仙台市は幸いにも最小限の被害でとどまりましたが、報道等にあるように周辺は大きな被害を受けております。

ご承知のようにRtoS研究会では、資源のできる限りの国内保持を目指したReserve to Stock構想のもと、種々の社会システムを含めた提案を行ってきました。具体的には、現行法制度上安易に取り入れることが困難であった「蓄積」の概念に関して、海外事例の研究や小型家電の収集試験などを通じ産官学で話し合うことで、少しずつではありますが社会的な認知度を得るようになってきています。

このような観点から改めて現在の震災地で震災廃棄物の扱いなどをみていますと、技術的な問題もさることながら、社会的な慣例のようなものが早期な復旧を阻害するような兆候が認められ、我々の行ってきたReserve to Stockの問題といわば共通したものが感じられるため、この提言を出してみました。

例えば、国が示している震災廃棄物の処理は、過去の例も見ながら、その自治体での処理が前提で、そこで無理なら県、そこでも無理なら越境と指導されています。これは廃棄物処理法の一般廃棄物に関する処理責任を基礎とした考えです。しかし、今回の震災の場合は多くの県に被害がまたがっていること、また、かなりの量が津波被害による事など特異な点があります。震災廃棄物は、家電品や自動車(別のリサイクル法があるもの)や、通常の一般廃棄物以外の危険物(酸やアルカリや可燃物といった一般には産業廃棄物のもの)などが混在しております。

これらの処理には性状的に適切な施設での処理が必要ですが、これを有している自治体施設はほとんどありません。ところが、現在はそのような議論よりも一般廃棄物の責任論が上位に来てしまっていますので、結局、各自治体では多くの資源物や危険物も埋め立てる以外の方法をとりにくいと予想します。しかし、本来は周辺の自治体や企業の協力などがうまく協力できれば、かなりの改善ができるのではないのでしょうか?

今のまま、まず被災地の自治体で頑張れだけでは他の自治体や企業は安易に手をさしのべることが困難です。なかなか、廃棄物処理法の大原則は崩せないものの、「性状が産業廃棄物と同等なものは越境して他県でできる、明確にリサイクル法があるものと同等なものは自区内の処理ではなく専用の施設でできる」といったことを期間限定、地域限定でもかまいませんので、早めに国から宣言してもらうことが必要ではないでしょうか?

我々が小型家電の収集試験を開始した最大の理由は、電子電気機器が自治体に分散して捨てられることによりリサイクルなどは困難になるということです。これは基本的に制度の失敗ではなく、時代が変わったことによる不具合だと思います。法律や仕組みは一般には絶対のものと思われがちですが、事を問題なく行うために人が作ったものです、ですから不具合が明確にある場合は、自身で直していくことは必要です。研究会ではこの案件に関して、多くの関係者の皆様のコンセンサスを取りながらゆっくりとでも良い方向を模索しております。しかし、今回のような広域にわたる未曾有の災害の場合では、より強いものが必要です。

是非とも個々の監督官庁の枠をこえた迅速な意思表明がなされ、被災地の安全で効率の良い復旧と、資源の無駄や危険物のリスク回避につながることを望むものであります。


このページのトップへ